この記事を読んでいるあなたは程度の差はあれど、心理学に興味をもっていることでしょう。
TVのニュース番組で臨床心理士がコメンテーターとして活躍していたり、書店に「○○心理学」みたいな本が置いてあったりと心理学は割と身近にありますね。
インターネットにも「あなたの深層心理がわかる!」みたいな心理テストとかもあって、心理学のしの字も知らない人を探す方が大変です。きっと。
きっかけは何であれ、心理学面白そう! と思ってオープンキャンパスで体験授業を受けたところ、
何か思ってたのと違う……
ってなった人、いませんか?
心を読んだり、心理テストをしたりすると思って大学で心理学を学ぶという選択をすると、かなりがっかりすることになります。
思ってたのと違うけど面白いじゃん! ってなれば楽しく勉強できるけど、そうじゃなかった時が本当に悲惨。最悪の場合、大学に行かなくなる、留年、退学のフルコンボだドン!! 精神的にはフルボッコだドン!!
そういう訳で、今回は心理学部卒業生の私が「心を読む」と「心理テスト」の2つに絞って心理学科に対する誤解を解いていきたいと思います。
心理学科は心を読まない?
「へー心理学やってるんだ! じゃあ、心読めるの?」
心理学を学んでいる大学生なら一度は言われたことのあるフレーズでしょう。
そんな時、私たちはたいてい
「全く読めないよ」
と返事をします。
これは読めるのを隠しているのではなく、本当に読めないからこう答えています。
これで相手がそっか~って引き下がってくれればいいのですが、しつこい人だとそんなこと言って本当は読めるんでしょ? とかほざいてくるんです。
本当に厄介です。心当たりのある方は少し反省していただきたいです。本当に!
ちなみに私の通っている大学の教授は、
「人の心を読むなんておこがましいことです。たとえ読めたとしても、そんなことをしてはいけません。」
とおっしゃっていました。
そりゃそうですよね。勝手に心を読まれたら、何勝手なことしてんだこいつってなりますもん。
では、心を読む勉強をしないのなら何を勉強しているのか。
心のメカニズムについて科学的に学んでいます。心を読むのではなく、理解しようとしています。
心理学にはさまざまな分野があります。
基礎心理学と応用心理学の2種類に分けられ、集団を対象に実験や調査を通して研究を行うのが基礎心理学、基礎心理学で得られた結果を個人や社会に活かすのが応用心理学とされています。
基礎心理学には生理心理学や発達心理学、学習心理学、社会心理学などが分類されています。
一方、応用心理学には臨床心理学や教育心理学、犯罪心理学などが分類されています。
実際に講義を受けていても、基礎心理学の科目より応用心理学の科目の方が実際の事例とともに説明される印象がありました。
基礎心理学の知識があるとより理解しやすいかと思います。
また、実習では調査や実験で得た結果を統計処理をして、レポートにすることもあります。
カウンセリングもクライアント(患者)の話をよく聞き、共感し、問題の解決を一緒に考えたりします。心は読みません。代わりにクライアントをしっかり観察しています。
ここまで読めばもう完全にお分かりいただけたでしょう。心を読む勉強はしません。理解する勉強をするのです!
心理テストはしない?
正確に言えば、心理テストについては勉強します。
「1番を選んだあなたは○○タイプ!」みたいな大衆向けの心理テストではなく、先人達が研究に研究を重ねて開発した心理検査を学びます。
性格検査はもちろんですが、心の病気を発見するための検査や知能検査もあります。
これらを扱う講義を受ければ、検査を受けるところから結果を出し、解釈するところまで自分でやることになります。
なので、自分の性格や知能を検査を通して客観的に知ることができます。
私も実際に自分の性格やIQを測って、結果に一喜一憂しました。とても楽しかったです(白目)。自分を客観的に見るいい機会だったと思います。
心理検査については、仕組みなどを公表してしまうと検査そのものが機能しなくなってしまう恐れがあるので、詳しいことは書けません。
なので、やってみたい! という方は、ぜひ心理学部・学科に入学して思う存分心理検査について勉強してください! 楽しいよ!!
心理学は面白い!
心理学部・学科で心を読んだり、心理テストをしたりするような勉強をしないことはおわかりいただけたでしょうか?
こんなに偉そうに語った私ですが、心理学に興味をもったきっかけは心理テストでした。
「何これ、答え選ぶだけで自分の性格がわかるとかおもしろっ! 大学で心理学やろ!」
ぐらいに思ってました。
その後大学で学ぶ心理学を調べていくうちに、想像していた心理学とは違うことに気づきましたが、オープンキャンパスで受けた体験講義が面白かったので改めて大学で学びたいな、と思うようになりました。
この記事を読んで、興味をもった方もがっかりした方も一度オープンキャンパスの体験講義を受けてみることをおすすめします。
教授によって講義の雰囲気も全然違います。
「今日のやつ面白くなかったな……。」
と、思ったら教授との相性がよくないのかもしれません。
なので、そこであきらめずに他のオープンキャンパスに行ってみると、これだ! と思える大学に出会える場合もあります。
興味のある分野はしっかり調べて、入学後にがっかりしないようにしましょう!